完全競争市場の4つの条件はこれ!

完全競争市場の4つの条件はこれ!

自分の思い通りになる機会はそこまで多くはありません。かりに独立開業をしても、市場の状況をみながらビジネスを展開しなければ、消費者のニーズをつかんで発展していくのは難しいでしょう。多くの消費者・需要者がいて、自由な競争が行われている状態を「完全競争」と呼びます。完全競争とはどのような社会・市場なのか、詳しく解説していきましょう。

完全競争市場とは、多数の供給者・需要者がいて、自由な競争が行われている状態

完全競争市場とは、ある財について多数の供給者・需要者がいて、市場価格を左右する影響力を誰も持たずに自由な競争が行われている状態です。競争がおきている市場では、どこでも・誰でも一定金額でその財を売ろうします。

少しでも高ければほかの店で買い手は買ってしまい、また安売りをすると店にとっては負担が大きくなる可能性があります。そのため、みんなにとってちょうどいい価格で落ち着くのです。市場価格が一定であるのを「一物一価の法則」と呼ぶのも、ここまでの説明で納得がいくのではないでしょうか。

完全競争市場の条件

完全競争市場の条件をまとめると下の4つが挙げられます。あくまで経済学の理論上の条件であるため、実質経済とはズレを感じる人もいるかもしれません。

完全競争市場の条件(1):多数の買い手・売り手が存在する

多数の企業・消費者が存在する
→特定のいち企業だけで市場価格を操作・決定できない
→→市場価格が需要と供給の相互作用で決定する

完全競争市場の条件(2):完全情報

意思決定に必要な情報がすべて与えられている

完全競争市場の条件(3):生産物の同質性

売られている生産物はすべて同じ品質

完全競争市場の条件(4):参入/退出が自由

商売を始めるのにも辞めるのにも障害がなく自由

完全競争企業とは、完全競争市場で活動するプライス・テイカー

完全競争市場で活動する企業は、完全競争企業と呼ばれます。多数の企業が競争しているなかのいち企業にすぎず、1社あたりの規模は市場全体とくらべて非常に小さいです。

またプライス・テイカー(価格需要者)とも呼ばれます。市場価格の水準を受け入れて行動しなければならない立場だからです。かりに市場の需要が減り需要曲線が右下がりでも、完全競争企業の一存で市場価格は変えられません。そのため完全競争企業が直面する需要曲線は水平になります。

財の価格は市場によって一定になるため、完全競争企業が決められるのは生産量だけです。違う書き方をすれば、完全競争の条件下であればいち企業は市場価格で生産物をいくらでも販売できます。もっとも大きな利潤を得るのが企業の行動目的です。そのため利潤が最大になる最適な生産物の販売量(生産量)を検討するのが重要になるわけです。

【参考書籍】